電子マネーの安全性と耐タンパー技術
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概要
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電子マネーには、そのバリューをICカードに格納するICカード型と呼ばれるタイプと、コンピュータのハードディスクに格納してネットワーク上でだけ使用することのできるネットワーク型と呼ばれるタイプがある。最近では、その両者の混合されたタイプも登場してきたから完全な分類にはなっていないが、ICカードが重要な媒体であることには変わりない。電子マネー以外でも、Electronic Commerceにおける認証キーを格納する媒体として、あるいは各種プリペイドカードやクレジットカードの媒体として、ICカードが注目されている。最大の理由は磁気ストライプ型のカードにくらべて偽造がいちじるしく困難であること、すなわち耐タンパー性にある。ヨーロッパはICカードの先進地域と呼ばれている。その理由の一つは、日本のようにオンライン技術が進歩していなかったせいであるといわれているが、それはともかく、そのICカード先進国の雄フランスでは、1992年にクレジットカードを全面ICカード化した。その結果、1989年には0.162%であった不正使用率が1993年には0.04%、1995年には0.028%、被害総額35億円へと激減した。日本のパチンコカードの偽造被害額600億円と比較すると、その少なさが実感できよう。NTTのテレフォンカードも近くICカード化されるといわれている。ICカードは果たして偽造に対する特効薬なのであろうか。また、セキュリティ全体の中にしめるそのウェイトはどのくらいの大きさなのであろうか。本稿では、とくに厳格なセキュリティが要求される電子マネーにおけるICカードの耐タンパー性について、実例をまじえて論じてみる。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1997-08-13
著者
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