冷却ATR/赤外分光法による高感度生化学センシング
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概要
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赤外吸収スペクトルは、分子を構成する原子団に固有の吸収帯が重畳したもので、それぞれの分子は独特のスペクトルパターンを持っている。この特徴を生かし、フーリエ変換赤外分光計(Fourier transform infrared spectrometer, FT-IR)と減衰全反射法(Attenuated total reflection, ATR)を組み合わせて、生化学計測に適用する試みが1980年代後半から盛んになってきた。ATR/FT-IRによる生化学計測は、従来の比色法に比較して、発色試薬が不要で複数成分の同時計測が可能であるという特長を持っている。しかし、ATR/FT-IRは感度が低いため、血中の低濃度成分の測定は困難であった。我々は、冷却ATR/FT-IR法の開発により、血中正常値に調製したグルコース、尿素及びクレアチニン水溶液を試料として従来の100倍以上の高感度化を確認した。 本報告では、高感度化のメカニズム、ヒト血清中生化学成分の同時計測、酵素活性測定への適用について概説し、冷却ATR/FT-IR法の可能性を示す。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1997-08-13
著者
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