不均一解像度入力からの画像特徴地図の形成

概要

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人間の視覚系では、網膜から入力された情報は、外側膝状体(LGN)を経て視覚一次野(V1)に送られる。V1では、視覚刺激の特定の位置・方位・左右眼優位などに反応する細胞が連続的に配置されており、全体として視覚情報を表す一種の特徴地図を構成している。V1は脳の視覚機能の中でも必要不可欠な部位で、V1が機能を失うとほとんどの視覚情報が扱えなくなる。このことから視覚情報を扱う計算処理においては、V1はすべての高次視覚機能が必要とするさまざまな情報を一貫性を保ちながら表現するワーキングデータテープルとして機能してるのではないかと予測される。この表現形式を解明することは、視覚系のように柔軟で高度な画像認識システムの構築にとっても非常に重要である。視覚刺激の位置情報に関しては、LGNやV1においてレティノトピーが保たれて表現されていることが調べられている。また、近年のオプティカルレコーディング技術により、方位・左右眼優位などの属性に関して、V1の特徴地図としてのハイパーコラム表現が明らかになりつつある。しかし、網膜における中心-周辺での解像度の不均一性や、異なる空間周波数を別々に処理が行われるというマルチチャネル処理などの機能的特徴があるにもかかわらず、視覚刺激の大きさの情報が、V1の表現にどのように現れているかは明らかではない。画像認識の分野でも常に対象物の像の大きさ変動に対する対処は重要であることから、我々は初期視覚での大きさ情報の表現について検討を行っている。本稿では、網膜のような中心-周辺で解像度の異なる入力から、V1にあたる表現がどのように構築されうるかを、自己組織化によるシミュレーションによって示す。さらに、形成された特徴地図の表現の柔軟さを、入力および地図上の欠落部を仮定することで確かめた。
1994-09-26

不均一解像度入力からの画像特徴地図の形成

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