濃淡画像の画像修復に対する統計力学的反復計算法
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概要
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L個の格子点{i|i=1,2,…,L}からなる正方格子上で以下の前提の下で濃淡画像の画像修復を考える。(1)原画像x={x_i|i=1,2,…,L}は、各格子点iでx_iが1,2,…,q-1のいずれかの値のみをとるものとする。(2)観測画像x={y_i|i=1,2,…,L}は、原画像xからノイズにより各格子点で互いに独立に他の状態へと確立pで反転されることにより生成されることにより生成されたものとする。(3)原画像xは知ることが、階調値の異なる最近接格子点対の総数δ_2(x)および階調値が1だけ異なる最近接格子点対の総数δ_<21>(x)が正確にわかっているものと仮定する。σ_2(x)≡Σ___<(ij)[1-δ(x_i,x_j)], σ_<21>(x)≡Σ___<(ij)δ(|x_i,x_j|)]ここで、δ(x,y)はクルネッカーのデルタであり、Σ_<(ij)>はすべての最近接格子点に対して和をとることを意味する。修復画像z={x_i[setmn]i=1,2,・・・,L}に対してδ_2(z)=δ_2(x),δ_<21>(z)=δ_<21>(x)という拘束条件の下でΣ_i[1-δ(x_j,y_j)]を最小にする画像zを修復画像として環索することを考える。この拘束条件付き最小値問題はラグランジュの未定係数J,Kを導入することにより、以下のような最小値問題に置き換えることができる。<min>{-Σ__iδ(y_i,z_i)-Σ__<ij>[Jδ(z_i-z_j)+Kδ|z_i-x_j|,1)}]ここで、JおよびKは拘束条件を満足するように決定される。この最小値問題に対する最適解z^<(M)>を検索するための平均場方程式は温度T(>0)を導入することにより、以下のように考えられる。[numerical formula] [numerical formula]この方程式を反復法により数値的に解きながらアニーリング(高温より温度を徐々に下げる過程)を行うことにより十分小さなT(>0)の対する最適解z^<(M)>を求めることができる。一方、T=0において上記の平均場方程式は以下のように書き換えられる。[numerical formula] [numerical formula]この2つの方程式をもとに画像修復に対する反復計算アルゴリズムを構築する。[photograph]
- 1996-09-18
著者
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