二庄内ダム初期湛水時における水質調査
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概要
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温泉地帯に位置する青森県二庄内ダムにおいて、その初期湛水時にダム漏水の水質調査を実施した。その結果、以下の知見が得られた。(1)湛水に上る最も顕著な影響は、漏水に含まれる高濃度の硝酸イオン濃度が低下する現象として現れる。これは、硝酸イオン濃度の低い貯水池水が漏水に混入することによるものである。(2)本ダムでは下流側への貯水池水の到達を示す指標として、硝酸イオン濃度を利用することが有効である。(3)漏水のラドン濃度の時間変化より、湛水による影響は地山部分より堤体基礎に速く現れることが示された。(4)湛水開始後約2年を経過しても下流漏水の水質は貯水池水の水質とは大きく異なり、貯水池からの浸透速度が非常に遅いことが立証された。
- 1997-04-10
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