クラウンエーテルを用いた特定イオンの検出法
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概要
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従来のISFETによるイオンセンサに代えてクラウンエーテルを用い,アルカリ金属イオン(Na^+イオン,K^+イオン)を交流の電位差として測定できる検出法を提案している.クラウンエーテルはアルカリ金属イオンを選択的に取り込み,錯体を形成する特性を有する.この選択特性の違いを交流の電位差として検出するため,3種類のクラウンエーテル,18C6,15C5,12C4を選び,これを溶かす溶媒を,純水,メタノール,アセトン,プロピレンカーボネート(PC),ジメチルホルムアミド(DMF)とかえて実験を行った.すなわち,クラウンエーテルを含む溶媒中に塩化物(NaCl,KCl,CsCl)を溶かしたときの沈降電位を沈降電位測定装置を使用して測定した。その結果,18C6を用いた実験では溶媒にPCを選んだときKClの沈降電位が,他の溶媒を用いた塩化物の沈降電位に比べて大きな変化が現れた.また,15C5を用いた実験では溶媒にメタノールを選んだときNaClの沈降電位が,他の溶媒を用いた場合に比べて大きな変化が現れた.今回の実験から,K^+イオン,Na^+イオンを他のイオンと区別して検出するには,それぞれ18C6のPC溶液と15C5のメタノール溶液を用いて,塩化物の沈降電位を測定すればよいことを明らかにしている.
- 1995-07-25
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