TIJヒータ上インク残渣の除去方法
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概要
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小型プリンタの一方式として知られているサーマルインクジェット(TIJ)は, ヒータを繰り返し加熱するために, インクの残渣がヒータ上に堆積する焦げつき(Kogation)が起き, 熱効率低下による画質の劣化を招く. 環境及びランニングコスト面から, ヘッドのパーマネント化の要求があり, Kogationを防止する必要がある. 我々は, この対策としてダブルパルス駆動のパルス幅制御による堆積物の除去方法を検討した. その結果, インクの噴射開始電圧近傍の駆動エネルギーを加えると, 堆積物が効率良く除去できることがわかった. 我々は, これを'回復パルス'と名づけた. 回復パルスの作用は, 通常印字のときに見られるキャビテーションによる自己回復ではなく, 核沸騰あるいは遷移沸騰による浮き・剥離のメカニズムによるものと考えられる. 回復パルスを用いることにより, 自己回復での除去が困難なヒータ外周部の堆積物が除去できる. よって, Kogation対策として, このメカニズムを利用した回復パルスが有効である.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1999-05-25
著者
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森田 直己
富士ゼロックス
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小林 雅樹
Pds事業本部ij事業部nm開発部
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大西 一典
山梨大工
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平塚 昌史
富士ゼロックス株式会社技術開発センターNPラボ
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大西 一典
PDS事業本部IJ事業部NM開発部
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大西 一典
富士ゼロックス(株)PDS事業本部 NM 開発部
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小林 雅樹
富士ゼロックス(株)PDS事業本部 NM 開発部
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