サーマルインクジェットの長期安定噴射
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概要
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小型カラープリンタにおいて, 低コスト化とプリントヘッドを使い捨てないという対環境性のためにはプリントヘッドの長寿命化が重要である. サーマルインクジェット (TIJ) においてはインク噴射のための熱サイクルによるヒータ上へのインク成分の焦げ付き (Kogation) による画質故障がヘッドの短寿命化を招いていた. そこで我々はヒータに印加しているダブルパルスを利用した回復パルス (Recovery Pulse) により焦げ付きを除去する方法を提案した. この回復作用はバブルの生成状態に起因すると見られ今までに有効利用されたことのない現象である. 続いてこの回復パルスを最適化し, より有効にメンテナンス動作に取り入れた. 更に印字のダブルパルス駆動を印字履歴に応じて切り換える方式 (Grade Up Pulse) を開発した. 回復パルスと切換パルスをプリンタ動作に取り入れ, 相補的に作用した結果, ジェット噴射の長期安定性が得られ, 耐水性インクを用いヘッドの交換が不要であるパーマネント型TIJプリントヘッドを実現した.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1999-06-25
著者
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森田 直己
富士ゼロックス
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小林 雅樹
Pds事業本部ij事業部nm開発部
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大西 一典
山梨大工
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平塚 昌史
富士ゼロックス株式会社技術開発センターNPラボ
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大西 一典
PDS事業本部IJ事業部NM開発部
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田村 晴美
PDS事業本部IJ事業部NM開発部
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