高精度発振器用2電極対水晶振動子
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
一般に水晶発振器の発振周波数を調整する場合は,水晶振動子の負荷容量により行う.水晶振動子の負荷容量と発振周波数の関係は非直線的であるため,周波数を調整した場合その前後で負荷容量による周波数の変化率が異なったものとなる.そのためTCXOやVCTCXO等で経年変化等による周波数の変化や負荷容量の変化による発振周波数を補正すると,補償回路で設定した周波数の補償量は,補正の前後により異なったものとなり,特性に変化を来す.本論文は,二つの独立した負荷容量をもち,温度や容量などによる発振周波数特性の補償と発振周波数のシフトを独立に行うことができる新しい2電極対構造を有する水晶振動子の開発について示したものである.このことは,一つの負荷容量しかもたない従来の水晶振動子では不可能である.更に,2電極対水晶振動子の等価回路を用いて,発振周波数条件から周波数変化率を求める式を誘導した.この理論式より求めた計算値は,配線等の浮遊容量を考慮すると,実測値と極めてよく一致し,本2電極対水晶振動子の設計に有用である.
- 1993-04-25