アニリン電解重合のボルタモグラムおよび重合膜のECにおける電流特性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
アニリン電解重合がネサガラス電極上になされる際のサイクリックボルタモグラムおよびポリアニリン膜の電解支持液中での酸化還元によるエレクトロクロミック(EC)のサイクリックボルタモグラムを0〜2〜0〜-1〜0[V]の範囲で測定し, これらの結果を検討した. これらのサイクリックボルタモグラムにおける最も顕著な相違は, 2〜0〜-0.5[V]における特性であった. アニリンを含む重合液中における場合には, 負方向の電流が現れるが, アニリンを含まない電解支持液中の場合には負方向の電流はほとんど現れなかった. これらの結果からECを示すポリアニリンの酸化においては, 負イオンのドープは行われず, キノイジミン構造に変化し, 青紫色にクロミックするものと考えられる. また, 両ボルタモグラムにおける類似点は, -1〜0[V]において正方向の電流が-0.3[V}付近にパルス状に生じることである. これらの現象は, 2-ベンゾノイド環結合に還元される際に分子中に取り組まれる水素イオンの未反応分が放出されるものと考えられる. また, 一方ポリアニリンのEC中における透過率の変化と電流の関係について検討した. この結果, 酸化時には透過率の変化に伴い電流は, ほぼ一定の値を示し, 透過率が変化しない状態に到達すると急激に減少する. しかし還元時には透過率の変化に伴い電流は次第に減少することが明らかになった.
- 1997-02-25
著者
関連論文
- アニリン電解重合のボルタモグラムおよび重合膜のECにおける電流特性
- 支持電解液を含浸したPVA層を有するポリアニリンのエレクトロクロミック素子の特性
- 支持電解液を含浸したPVA層を有するポリアニリンのエレクトロクロミック素子の特性
- 染色フィルターを有するa-Si色彩センサーの基礎的研究および応用
- 電解重合ポリアニリン膜の作成とエレクトロ・クロミック(EC)特性