周波数変換に基づく複素伝達関数の構成とその受動実現
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概要
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近年, 複素係数アナログフィルタの構成法が数多く提案されている.このフィルタはその周波数特性が直流に対して非対称となり, 従来の実係数フィルタにない複雑な信号処理が可能となることが知られている.しかしながら, これらの構成法はいずれも演算増幅器を必要とするため必然的に有限GB積の影響を受け, 使用可能な周波数帯は比較的低い周波数に限られるという問題点があった.この問題点は受動実現することによって解決することができる.そこで本論文は, 受動実現に適した複素伝達関数の一構成法について述べている.まず, 提案する周波数変換方法を示している.提案手法により基準実係数フィルタは虚数抵抗を含む複素係数フィルタに素子変換される.次に, この複素係数フィルタを受動実現する方法について述べている.提案回路は始端終端抵抗, リアクタンス素子及び, 有限の自己インダクタンスを有する密結合トランスから構成されている.最後に, 構成例として受動素子だけを含む複素係数フィルタを構成し, 実験を行うとともに, 計算機を用いて素子感度を解析し, 本構成法の有効性を確認している.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2000-09-25
著者
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