低ビットレート符号化音声の品質評価に用いるレファレンス信号
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概要
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近年,移動体通信などへの導入が期待されている低ビットレート(4〜8kbit/s)符号化音声の主観品質評価法の確立に資するため,品質評価に用いるレファレンス信号を提案した.本方法では,符号化音声の品質は主観的に等価なレファレンス信号のSN比で表される.提案したレファレンス信号は,原音声に,低ビットレート符号化ひずみの平均的スペクトル特性と類似したスペクトル特性をもつ「低ビットレート符号化ひずみの模擬信号」を付加して発生させる.符号化ひずみの模擬信号は,符号化ひずみを「スペクトルひずみを生じた音声と白色雑音を加算した信号」でモデル化し,前者を,原音声にスペクトル整形した雑音を加えた信号のLPC(Linear Predictive Coding)係数で,また後者を,原音声のLPC予測誤差信号に白色雑音を加えた信号で表して,この両者を用いて合成する.模擬信号の発生に用いるシステムパラメータは,実際の符号化ひずみの特性を分析した結果に基づいて決定した.主観品質評価試験により,本論文で提案した信号を用いると,従来のレファレンス信号を用いるより評価値の変動が小さく,評価値の再現性が高くなることを示した.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1993-12-25
著者
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