符号伝送用 CTD 波形整形フィルタの転送損による符号間干渉の最大値と転送損補償
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概要
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符号伝送用波形整形フィルタをCTDを用いて実現すると,その電荷の転送損によりフィルタ特性が劣化して,符号間干渉が起こる.本論文の目的は干渉の最大値を求めることと,その補償方法の提案である.PCM方式のようなバイポーラパルス基底帯域伝送において,その伝送特性が100%余弦ロールオフ特性の場合,符号サンプル点における干渉電圧の正負に単純な規則性があるので,目標伝送特性の半値幅から干渉の最大値を求める近似式を導くことができる.複流パルスとバイポーラパルスのVSB伝送時にも,ある条件を設定すると干渉電圧の正負に類似の規則性が生じ,その干渉の最大値の近似式を導くことができる.この近似式による値と計算機シミュレーションによる値とを比較した結果,誤差は小さく利用可能であることを確認した.更に,タップ係数設計の時点で転送損が不明確でも,後から補償のための調整が可能な新しい補償方法を提案し,シミュレーションにより有効な方法であることを確認した.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1993-03-25