酵素共役反応系を用いた適応格子形フィルタ
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概要
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酵素共役反応系は,生体内の代謝系に多く存在する化学反応の一つであり,二つの入力{I_1,I_2}の大小関係により出力の漸近値が1あるいは0となる.また,記憶の機能をもつため,入力の大小関係が時間の経過と共に変化する場合,出力はある時間それまでの値を保持した後に変化する.本論文では,この記憶の機能を利用することにより,インパルス雑音に対してロバストな適応格子形フィルタを構成する.まず,誤差こう配の推定値が正の場合はI_1>I_2,負の場合はI_1<I_2とする酵素共役反応系を構成する.次に,酵素共役反応系の出力の大きさが1より小さくなるように適当な線形変換を行い,それを偏相関係数の推定値とする.これにより,インパルス雑音が加わっても,記憶の機能を使って偏相関係数をほとんど変化させないようにできる.また,推定したモデルの安定性を保証することができる.最後に,計算機シミュレーションにより従来の適応格子形フィルタと本手法の性能を比較する.そして,インパルス雑音が加わる場合はもちろん加わらない場合でも,本手法が優れていることを示す.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1993-03-25
著者
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