深海音響チャネル内における音波伝搬の時間領域における近似解析
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概要
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本論文では, 深海中におけるSOFAR (sound fixing and ranging)チャネル内のチヤネル軸上またはその近傍に音源がある場合の音波伝搬について, 時間領域において解析を行った. 観測点が境界層外にある場合の応答波形の近似解析法として, 音線追跡法より得られる周波数領域における音線解を用い, 時間領域における音線表示式を新たに導出した. 一方, 観測点が境界層内にある場合, 音線理論では解析困難となるような音波伝搬現象が生じていることを明らかにすると共に, この場合の応答波形を近似的に解析する方法として, 音線とadiabaticモードを組み合わせたハイブリッド音線-モード表示式を提案した. これらの音場表示式に数値を代入して応答波形の計算を行い, ノーマルモード理論による基準の結果と比較することにより, 提案した近似表示式の有効性を明らかにした. また, 近似表示式による数値計算は, ノーマルモード理論と比較して極めて高速計算が可能であることを示した. 時間領域における音場解析は, 各パルス波が分離して観測されるため, 音波伝搬の物理的解釈上, 周波数領域の解析より有効であることを明らかにした.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1996-03-25
著者
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