W-CDMA下りリンクにおける高速送信電力制御を用いる適応アンテナアレイ送信ダイバーシチの実験特性

概要

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W-CDMA下りリンクにおける4アンテナの適応アンテナアレイ送信ダイバーシチ(AAA-TD)において高速送信電力制御(TPC)を行ったときの干渉特圧効果について室内実験により評価を行った.実験結果より, 2ユーザ環境(1干渉ユーザ)において希望波の干渉波に対する高速TPCの目標E_b/I_0比がΔE_b/I_0=-12dBのとき, 1アンテナ送信の場合にはマルチパス干渉に起因してBER=10^<-3>よりも高い領域でエラーフロアが生じているものの, AAA-TDを用いることにより平均BER=10^<-6>程度の高品質受信ができることを示した.また, AAA-TDを用いることにより, 低速から最大ドップラ周波数f_D=400Hz程度までの高速フェ-ジング環境下において, 1アンテナ送信に比較して4.6dB以上, 平均BER=10^<-3>を満たす所要送信E_b/N_0を低減でき, また, 希望波と干渉波の到来方向(DOA)の差が+/-20°以内の領域においてはマルチパス干渉の抑圧効果が低減するために, 所要E_b/N_0は増大するものの, 1アンテナ送信に比較して大幅に所要送信E_b/N_0を低減できることを示した.さらに, 上り/下りリンクのキャリア周波数差に起因する送信アンテナウエイトにおける希望波信号の送信方向を補正する効果は小さいことを示した.
社団法人電子情報通信学会の論文
2000-11-10