完全相補系列を用いたセル内干渉もセル間干渉も無い近似同期CDMAにおけるマルチパスの推定と信号の畳み込みによる周波数利用効率の飛躍的な増大

概要

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完全相補系列を用いたチャネル間干渉が無く検出サイドローブも無い近似同期CDMAにおいては、各チャネルは同一時刻、同一周波数帯域を用いる。或るユーザーに複数のチャネルを割り当て、1つのチャネルをマルチパスの伝搬特性を推定するためのパイロット信号に用い、残りのチャネルを情報伝送に使うと、チャネル間干渉が無いため、マルチパスの数より多い数の連立1次方程式をたて、マルチパスの伝搬特性をほぼ完全に推定することができる。さらに、マルチパスの影響を除去できることを前提として、情報伝送信号を1ビットずつずらして畳み込めば、非常に高密度の情報伝送が可能となり、大きな完全相補系列を用いれば、伝送情報あたりの周波数利用効率はW-CDMAの数十倍にすることができる。さらに、周波数利用効率に余裕ができると、隣接するセルおよびその先のセルに異なる周波数を割り当てることにより、マルチパスによる自己干渉もセル内チャネル間干渉もセル間チャネル間干渉もないCDMAが実現でき、SN比が格段に向上するため、QAM伝送によって周波数利用効率のさらなる向上も期待できる。
一般社団法人電子情報通信学会の論文
1999-06-24