人体の肩と頭部に近接したダイポールアンテナの放射効率および実効利得特性回折

概要

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人体頭部に近接した半波長ダイポールアンテナの放射効率および多重波環境における平均実効利得(Mean Effective Gain: MEG)をモーメント法により解析した。人体モデルとして頭部と左肩を統合した上半身モデルを採用し、まずアンテナの放射特性を調べ、アンテナ特性に与える肩の影響を検討した。解析結果は均一媒質人体ファントムを用いた実験により検証した。そして次に、アンテナの偏波あるいは人体との距離による放射効率および多重波中における実効利得特性を明らかにした。その結果、垂直および水平いずれの設置方法に対してもアンテナと人体が近接するとMEGは-9dBd以下の低い値を示すことがわかった。また、アンテナを水平設置としたとき肩の存在によって指向性が影響を受け、高仰角方向の放射が増えることによって実効利得の向上がもたらせることがわかった。これは、水平に近い状態で使用されることが多い携帯電話においてそのアンテナの放射特性を求めるのに肩の存在を無視できないことを示唆している。
社団法人電子情報通信学会の論文
1998-02-20