吃音の要因としての文の長さと調音が音読潜時に与える影響
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概要
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吃音の要因としての文の長さと, 初頭音の調音の種類が音読潜時にどのような影響を与えるかについて検討した。健常者と吃音者は非流暢性について連続性をもつとの仮定から, 健常な言語能カを有する大学生18名を被験者とした。20種類の初頭音(initial mola)についてそれぞれ5つの異なる長さの刺激文を作成し, これを被験者に暗記させた後, 信号刺激に引き続いて, 音読させた。実験の結果, 文の長さが長くなるに従って, 音読潜時が長くなり, 破裂音のほうが摩擦音よりも音読潜時が長いことがわかった。これは, 文の長さに応じて, 複雑な運動プログラミングが要求されていることを示している。一方, 文の長さの効果と, 調音の困難さは, 相乗的に作用するという仮説を確認することはできなかった。これらの結果は, 2つの要因が加算的に作用していることを示唆している。
- 1999-07-08
著者
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