理解度向上のための遠隔教育環境に関する一検討

概要

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高速通信網やマルチメディアシステムの急速な発展に伴い, 遠隔地間の各種情報伝送に関する研究が盛んである. 特に近年は, テレビ会議, 遠隔医療, 遠隔協調設計等を応用したネットワーク型マルチメディアによる遠隔教育が注目されている. 本研究では, 遠隔教育の理解度の向上を図るため, 高度なインタラクティブ性を有し柔軟な受講環境の構成ができる遠隔教育システムを目指し, 3パターンの遠隔講義実験システムを構築して実験および評価を行った. 具体的には, インタラクティブ性の効果を客観的に評価するため受講生の理解度を定義し, 片方向型通信と双方向型通信をベースとする3つの異なる講義スタイルの実験システムを構築し, Webをベースとするマルチメディア教材を新たに試作してこれにより講義実験を行い, 知識性に重点を置いたテストを行った。これまでの遠隔教育のシステム評価法は、アンケートを元にした主観評価による分析が主たるものであったが, 本研究では, 新たに講義理解度の分析方法として客観的評価手法を取り入れ、理解度を評価する算出式を導出し, これを用いて異なる講義スタイルの比較評価を行った。この結果, 実験から得られた正答率や回答時間の分析および理解度の評価により, 講師と受講生間のインタラクティブ性が理解度に及ぼす様々な要因を明確化することが出来た. 本稿では遠隔教育実験システムの構築, 実験結果, 評価と考察, 及び理解度向上のためのシステムの改善について述べる.
社団法人電子情報通信学会の論文
2001-03-02

理解度向上のための遠隔教育環境に関する一検討

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