取得過程の極端に異なる顔画像の識別
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概要
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本論文では, 免許証とその本人の画像のように取得過程の極端に異なる2つの顔画像の照合をロバストに行なう手法を提案する. 従来よりKL展開を顔画像認識に応用する試みが盛んに行なわれている. この方法によれば, 顔画像の標本集合から学習される顔特徴空間(固有顔空間)上で画像を照合することにより顔の向きや環境光などの微細な変動が取り除かれ, ロバストな認識を実現することができる. これに対し, 本論文で提案する方式は, 対応する画像の差の標本集合から学習される摂動特徴空間上で照合を行なうもので,照明条件をはじめとする取得過程が極端に異なる2種類の画像にも対応できる点に特徴がある. 摂動特徴空間の分散の大きい固有軸は取得過程の差異に起因する変動の特徴を的確に表現しており, これらの軸の影響を抑制しながら照合を行なうことにより安定した認識処理が実現できる. 本論文では, 免許証写真とその本人の顔の画像を用いて照合実験を行ない提案手法の有効性を検証した.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1997-06-20