樹脂繊維と配向膜による液晶セルの配向制御(画像技術・視覚・その他一般)

概要

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我々は,これまでに分子配向したセルロース製のポリマー長繊維(ポリマーフィラメント)による局所的な液晶配向効果を確認しているが,実用的なデバイスを実現するにはマクロな液晶配向を得る必要がある.そこで今回,ポリマー薄膜を設けた基板間にポリマーフィラメントと液晶を挟み込んで液晶セルを試作し,フィラメントによって得られる液晶配向への基板表面の影響を調べた.ポリマー薄膜の材料にポリイミド(PI),ポリビニルアルコール(PVA),ポリスチレン(PS)を用いた.その結果,フィラメントによる液晶配向領域が,PI<PVA<PSの順で拡大することが分かった.ポリマー薄膜と液晶の相互作用は,ラビング時のアンカリング強度から,PS<PVA<PIの順で増加すると予想され,相互作用がフィラメントによる液晶配向を擾乱したと考えられる.また,PS薄膜をラビングし,液晶への配向効果をフィラメントに対して直交させたところ,液晶が面内で湾曲配向することが分かった.これにより,フィラメントと基板の配向効果の組み合わせによる,新しい3次元配向制御の可能性が示された.
2004-09-28