アクティブクランプ型同期整流を用いたコンバータの高効率化について
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概要
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電源の小型化のためには部品の小型面実装化やIC化は重要であると同時に回路の高効率化も最重要項目の一つである。アクティブクランプと同期整流を組み合わせた方式は比較的シンプルな回路で非常に高い効率が得られるため最近注目されている。アクティブクランプはフォワードコンバータのトランスにキャパシタと補助スイッチの直列接続から成るクランプ回路を付加したものである。主スイッチがオフ期間に補助スイッチを通してトランスの励磁電流を流すことでトランスコアをリセットする。さらに、トランスのインダクタンスを適切に設定することでデッドタイム期間中にZVSが可能になる。この動作によって、(1)主スイッチのオフ時のフライバック電圧がVin/(1-D)にクランプされるため、広い入力電圧範囲で低耐圧のFETが使える、(2)トランスコアがB-Hプレーン上の第1象限と第3象限の間を均等に振れるのでコアの利用効率が良い、(3)ZVSにより、充放電ロスの低減、低ノイズ化が図れる、といったメリットがある。また、このアクティブクランプ回路に自己巻線による同期整流(Self Driven Synchronous Rectification)組み合わせると、(4)補助巻線が不要でタイミングを取る必要がない、(5)アクティブクランプによりオフ時のフライバック電圧が矩形波に近い形をしているため、入力変動、負荷変動に関わらず確実に環流用のFETをオンできる、といったメリットが追加される。今回、本コンバータをプリント基板上に試作した。また、プレーナタイプのトランス・チョークコイルを採用することで厚さ8.5mm以下、スイッチング周波数200kHz、入力電圧40-70V、出力5V/5Aで総合効率90%以上を達成したので報告する。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1996-03-11
著者
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