QoS保証を考慮した分散型加入者網アクセス制御方式

概要

論文の詳細を見る
B-ISDN(Broadband Aspects of ISDN)の加入者綱として、伝送路を共有する経済的かつ効率的なスロッテドリング系のアクセス方式が研究されてきた。現在までの代表的な方式としてATMR(ATM Ring)方式、Metaring方式が提案されている。加入者網では、音声や動画像などのマルチメディアトラヒックが多く収容されるため、リング内での遅延揺らぎの発生を低く抑え、かつ高いスループットが得られることが望ましい。しかしATMR方式では、スループットと最大遅延揺らぎ時間の保証がトレードオフの関係にあり、WS(Window Size)の値を小さく設定するとスループットが、大きくすると最大遅延揺らぎ時間の保証が犠牲となる。また、Metaring方式では、逆リングにリセット信号を巡回させることによりリセットオーバーヘッドを低減できるが、逆リングを用いるためリング障害に弱く、ネットワーク品質の面から好ましくない。本稿では、単リングで制御ができ、遅延揺らぎ時間を低く抑え、かつ高いスループットが得られるTDSR(Time Division SlottedRing)方式を提案する。
社団法人電子情報通信学会の論文
1996-03-11