被検体断層面方向移動型大視野コーンビームCT再構成アルゴリズム

概要

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現在, 螺旋状スキャンCTを用いた肺癌の集団検診システムが実用化されているが, 体軸方向の分解能が低いという問題がある. これに対して, コーンビームCTを用いた新しい肺癌検診システムが提案されている. コーンビームCTでは, 2次元X線検出器を用いるため, 高速撮影が可能であり, しかも等方的に高い空間分解能を持つ3次元像が得られる. しかし, X線イメージインテンシファイア (X線I.I.) とテレビカメラを用いる現在の2次元X線検出器は, 撮影視野がX線I.I.の口径で制限され, 胸部全体の撮影を行うことができない. これに対し我々は, 撮影系の複数回の回転に同期して被検体を断層面方向に移動しながら撮影を行い, 移動方向に撮影視野を拡大する新しい撮影方式を開発し, 発見的な手法で再構成アルゴリズムを導出した. ここでは, 上記再構成アルゴリズムに対し, 理論的に導かれる修正を加える. また, 胸部ファントム撮影実験による視野拡大効果を報告する.
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-03-06