CIR基準型送信電力制御を用いたDS/CDMAセルラーシステムにおける回線設計に関する検討

概要

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CDMAセルラーシステムでは, 遠近問題を解決するため送信電力制御が必要不可欠である. その方法としては, 受信CIR(SIR)に基づいた制御を行うCIR基準型送信電力制御が有効であることが報告されている. しかし, この方式ではユーザ数が増えて干渉電力が大きくなると, 伝搬路状況が悪く受信電力が小さいユーザはCIRの目標値を達成するために送信電力を非常に大きくする必要がある. この電力の影響を受け, 他のユーザも目標値を達成するために送信電力を大きくするため, いくら送信電力を大きくしてもCIRは改善されない, いわゆる発散の状態が生じる. 発散がおこらずに制御できるユーザ数はCIR目標値によって決まる. また, 発散がおこると全てのユーザの送信電力が無限に大きくなるため, 送信電力の最大値を制限する必要がある. 以上より, CIR目標値及び最大送信電力は, CIR基準型送信電力制御においてはシステム特性を評価するうえで重要な値となる. 本稿では, 計算機シミュレーションによって求めたCIR分布や劣化率等の特性から, CIR目標値及び最大送信電力の設定値の決定法について提案する.
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-03-06