量子決定理論
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概要
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量子決定理論とは従来の決定理論、いわゆるベイズ、ネイマンピアソン、そしてミニマックス等の決定規範を量子力学的に拡張したものである[1,2]。そもそも信号検出には信号の持つ雑音の影響が不可避であるが、その雑音は信号自身が統計的にゆらいでる「古典雑音」と、信号測定時にその量子ゆらぎにより生じる「量子雑音」に分類できる。従来の決定理論では総ての雑音は制御不可能なものであり、信号iの測定において測定値xを得る確率密度関数Pi(x)が与えられ、各信号の確率密度関数に基づいて最適決定が行われる。一方、量子決定理論では量子雑音が制御可能である性質を利用し、その影響を最小限にする最適決定方法を示唆する。すなわち、量子決定理論は光を煤体とした信寸伝送などの量子雑音が支配的な環境における信号検出性能を飛躍的に向上(信号検出誤り率の低減、平均相互情報量の増加)させることができる。またその様なシステムを構築するにあたってその最適な信号決定過程を記述する最適決定作用素の解析的導出も必要不可欠である。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1997-03-06
著者
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