金属膜厚を考慮した表面インピーダンス境界条件のFDTD法における定式化

概要

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FDTD法を用いて電磁波問題の数値解析を行う場合, 金属部分はその表面に電気壁境界条件を設定し完全導体として扱うことが多い。しかし, 導体損失が無視できないような問題に対してはこのような扱いはできない。そこで, 金属領域を有限の電気伝導率を有する媒質として扱う直接的な方法が考えられるが, 金属領域の空間離散間隔を表皮厚以下にする必要があるため, 空間離散数の増加およびCourant条件による時間離散間隔の減少という問題が生じる。これに対処する方法として, Beggsらは, FDTD法における表面インピーダンス境界条件を導出した。ところが, これは, 金属の厚さが表皮厚に比べて十分に厚いことを前提としているため, そうでない場合, 例えば膜厚が動作周波数における表皮厚よりも薄い金属膜などに対しては適用できない。ここでは, 膜厚が表皮厚程度あるいはそれ以下の金属膜に対しても適用可能な表面インピーダンス境界条件のFDTD法における定式化について述べる。
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-03-06