多シナプス結合での確率的信号伝達によるニューロン応答
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概要
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神経ニューロン間のシナプス部位での信号変換伝達機構は、信号の統合や学習可塑性の点から非常に重要な研究課題となっている。シナプスでの伝達物質の放出機構に関しては、Katzらによる素量的放出機構論を初めとして、EdwardsやSakmannらによる中枢シナプス後膜での受容体反応数説等が提唱されているが、シナプス部位で確率的信号処理が施されている点は留意すべき事象と云える。又、神経領域間の信号伝達は多数の神経軸索群を介して成され、各神経軸索上の活動インパルス電位は必ずしも完全に同期してシナプス入力されるのではなく、互いに統計的な時間遅れを伴う。本論文ではこの様な諸点を考慮に入れて、ニューロンのモデル化に際しては、形態的結合状態と膜イオンチャネル動特性を実体に近い形で考慮に入れたcompartment手法を用いて、多数のシナプス部位での結合数が確率的に変化する場合に、細胞体膜電位やシナプス後電位特性を計算機シミュレーションにより検討した結果を報告する。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1996-03-11
著者
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