移動体衛星通信用車載アンテナ追尾機構

概要

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陸上移動体衛星通信が実用化の期待にさしかかってきた。オーストラリアが昨年夏にスタートし、米国とカナダが今年中にサービスを開始する予定である。日本でも、NSTARによるS帯でのサービスが開始される。陸上移動体衛星通信の特徴の一つは、航空や海上に比べて、日常の移動範囲が狭い範囲に限定されることである。そのため、静止衛星を使ったシステムでは、車載局の仰角は日常の移動範囲でほぼ一定で、利得が数dBから十数dBのアンテナを使えば、仰角方向の追尾が省略でき、方位角のみの簡単な1軸追尾機構が採用できる。方位角の追尾機構では、高周波信号線の回転ねじれに対処するため、船舶局では、船首方向の回転の頻度が低く回転速度も遅いため、ねじれが一定限度を超すと逆方向に360゜回転させる低コストの簡易な方法がとられる。しかし、車載局では、車体方位の回転が頻繁で速いため、通常、ロータリージョイントを使わざるを得ない。しかしながら、ロータリージョイントは、コスト高や信頼性の低下につながる恐れがある。X-Y方式の2軸追尾機構ならば、ロータリージョイント無しに追尾できるが、装置が大きく、仰角方向を無追尾にできる利点が生かせない。そこで、ロータリージョイント無しに方位角方向のみの1軸追尾可能な追尾機構を考察した。
社団法人電子情報通信学会の論文
1995-03-27

移動体衛星通信用車載アンテナ追尾機構

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