周回衛星通信ネットワークにおける光衛星間通信の特性

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近年、多数の低高度軌道(LEO)周回衛星や中高度軌道(MEO)周回衛星を用いたグローバル衛星通信システムが提案・検討されているが、これらは比較的低ビットレートの移動通信を提供することを目的としているため、衛星間通信を用いていないものや電波による衛星間通信を利用しているものがほとんどである。しかしながら、大容量の画像やデータ伝送を行なうマルチメディア衛星通信ネットワークを構成する場合には、衛星間においても1Gbps以上の高速の通信を周囲の数機の衛星と行なう必要があり、光衛星間通信(光ISL)が不可欠になる。光ISLには、小型の機器とアンテナで大容量の通信ができ、干渉がほとんどなく周波数割り当てを考慮しなくてもよいという優れた特徴があるが、ビーム幅が細いため超高精度の捕捉追尾技術が不可欠であり、高速の追尾が困難である。また、現在のところ送信出力が小さく、高出力化の研究途上である。そこで、このような衛星通信ネットワークを構成するために要求される、光ISLの送信光の出力や捕捉追尾系の追尾能力を見積もるため、光ISLにおける自由空間損失、追尾範囲、追尾速度、可視時間等の特性の評価を行なっている。代表的な衛星配置についてこれらの特性を評価して、その衛星配置依存性を示すとともに、光ISL装置の負荷を軽減するためのリンク配置についても検討する。
社団法人電子情報通信学会の論文
1996-03-11

周回衛星通信ネットワークにおける光衛星間通信の特性

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