対話と思考過程における脳内律動情報処理機構のモデル

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近年、人間の高次脳機能、特に言語および思考は雨多くの分野で注目されている。たとえば情報科学においては、新しい知識情報処理や学習・思考支援システム開発のモデルとして、一方、精神医学においては、精神病の病態解明の基礎として、その神経機構の解明が待たれている。しかし、これら高次機能は動物実験では解明できず、また、これまで工学的な神経回路モデル化や、PETおよびfMRIなどのマクロスコピックな脳機能検査などが行われているのみで、脳内の実時間処理過程を対象にした研究は、ほとんど行われていない。ここでは、特に対話場面におけるこの言語と思考過程を脳内律動情報処理の立場から考察する。すなわち文音声や身体表現などのリズミックな随意行動パタンの生成のみならず、会話音声知覚、発話者への選択的注意、発話意図の推論、発話の交代など取り上げる。脳内活動の指標として、身ぶり・手振り、音声、眼球運動および事象関連性の脳波・脳磁図などの生体時系列データが示す律動パタンを説明する神経回路モデルを作成する。この回路の解析を通じて、これら対話における言語と思考過程およびそれらの相互作用における脳内律動情報処理の役割の理論的検討と、特に精神分裂病患者が示す対話と思考異常の説明に応用する。
1996-03-11

対話と思考過程における脳内律動情報処理機構のモデル

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