皮質の遅延調節機構 : 注意の神経生理機構の基礎
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
線運動錯視とそれと関係する多くの錯視は、受光器と運動検出器の間を伝搬する信号のスピードが注意ポテンシャルによって増大した結果として説明できる。しかし、この心理物理モデルは具体的な神経生理機構を何ら説明していない。本論文では、神経生理的に尤もらしい注意による遅延調節機構モデルを提案する。モデルは、D.Heegerのフィードバック規格化回路網モデルに神経生理学的知見から示唆される興奮性優位のフィードバックを導入することで、入力強度の増大に応じて増大する遅延を説明する。さらに、Top-down的注意を担う神経入力として、GABA-B細胞と深層の興奮性細胞へのGABA-A抑制の脱抑制機構を仮定することで、注意による応答の増大と遅延の減少を実現する。本モデルはR.J.DouglasのCanonical Microcircuitに合致し、また、Two-Stage Motion Energy Modelに取り入れることによって、線運動錯視とそれに関係する多く錯視の機構が神経生理的に合理的に説明できる.
- 1997-03-17
著者
関連論文
- V1野-MT野間のネオコグニトロン型階層化の可能性
- C-28 ビデオハザードブロッカーによる光感受性発作の防止
- 想像以上に危険な光感受性障害、その障害防止の為に全てのディスプレイに適応型時間フィルタを!
- 想像以上に危険な光感受性障害、その障害防止の為に全てのディスプレイに適応型時間フィルタを!
- 脳に優しいVDTインターフェース : その可能性
- 97年北米神経科学年会報告 : 私が感じた脳研究の新しい流れ
- 皮質の遅延調節機構 : 注意の神経生理機構の基礎