アナログMOS型ニューロプロセッサとその動作評価

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近年,脳神経系の優れた並列・分散処理能力を工学的に実現しようとする機運が高まり,ニューロコンピュータや人工ニューロン集合体を集積化したニューロチップなどいわゆるニューロシミュレータの開発が進められている.しかしながら,ニューロシミュレータの開発にあたって個々の人工ニューロンの活動関数をどのように設定すべきかについては定説がない.本論文ではこの一環として,制御用ニューロプロセッサの開発を目指し,アナログMOSデバイスを用いた人工ニューロンの結合体を試作した.このアナログMOS型人工ニューロンは次の特徴を有する.(1)バイオニューロンの各部位の電気的性質が特異な情報処理様式を生み出しているとの前提のもとに,バイオニューロンの形態に合わせ,樹状突起上のシナプス,細胞体および軸索の各等価電子回路で構成されている.(2)バイオニューロンと同等な電気的挙動(絶対不応期,シナプス後部電位の時空間的荷重,軸索起始部でのパルス発生など)を示す.(3)シナプス等価電子回路には学習回路が付加されており,入力パルス頻度に応ジてパルス伝達効率に変化が生じ,可塑的な入出力特性が実現できる.最後に,パルス伝達効率の異なるアナログMOS型人工ニューロンを複数台組み合わせたニューロプロセッサによってパルス周波数変調領域におけるフィルタリング,位相シフトなどの基本的な演算が可能であることを確かめた.
社団法人電子情報通信学会の論文
1994-11-25

アナログMOS型ニューロプロセッサとその動作評価

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