運動中枢のパルス伝達表現
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概要
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随意的な運動形成の仕組みを解明するには,運動中枢内部の部位相互間の有機的な神経線維連絡と神経パルス列に変換されて伝えられる情報の意味を理解することが必要である.そこで,本論文では巨視的な観点でとらえた運動中枢の模擬神経回路をPFM型(Pulse Frequency Modulation type)の人工ニューロンからなるニューラルネットワークで置き換える同定法を提案する.すなわち,中枢機能同定に先立ち,PFM型ニューロン結合体を用いてパルス信号伝達による四則演算,フィルタリング,畳込み積分などを実現し,PFM型ニューロン結合体のパルス演算処理能力を確かめる.その上で,反射の考え方を取り入れて運動中枢をいくつかのサブシステムに分割し,サブシステム間の有機的な結合を損なわずにニューロン結合体で置き換える.更に,前腕運動制御を対象として,中枢モデルにおける各サブシステム内の個々のニューロンパラメータの調整を行い,前腕運動の筋電発火パターンの特徴をシミュレートする.本論文の成果は中枢神経パルスによる筋の発火モードの制御様式を洞察する上で有効であろう.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1993-07-25
著者
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