側抑制を用いた明るさ知覚の特徴抽出モデル

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概要

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本論文では,空間的な明るさ知覚に関する多くの心理学的現象を統一的に説明することを目的として,側抑制を題いた特徴抽出モデルを提案する.本モデルは,網膜に見られる側抑制(相互抑制)層と新たに仮定した3層からなる特徴抽出部とで構成される.特徴抽出部では,側抑制後のパターンのある地点の近傍区間において,変化率がその地点で最も大きい場合,この近傍区間の側抑制パターンだけが出力されると考える.マッハバンドとその消失,段階状の錯視,同時対比およびクレークオブライエン錯視のシミュレーションを行い,本モデルがこれらの錯視現象を説明できることを示す.更に,方形波とその基本波,高調波の空間周波数特性を求め,基本波,高調波の感度の線形加算が,方形波の感度に等しいというIsonoの結果と一致することを示す.従来,このように数多くの現象を説明できるモデルはなく,本モデルの視覚機構解明への有効性が確認できる.
1994-04-25

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