輪郭の連結性に注目したしきい値選択による高速輪郭抽出法
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概要
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輪郭画像に要求される条件は,(1)輪郭が原画像の特徴をよく表している,(2)不要な情報が少ない,(3)抽出された輪郭線の線幅が細い,(4)輪郭の連結性が良い,ことである.これまで数多くの輪郭抽出手法が提案されているが,対象画像や要求精度を考慮した使用上の指針がなく,使用者が経験や勘に頼って選択して使ってきた.本論文では,Prattの提案する方法を用いて,輪郭抽出作用素の適用領域を評価し,使用上の指針を示した.更に評価結果に基づき選択した輪郭作用素を用い,従来,微分作用素の出力を2値化し,その結果に対し細線化処理を旋す2段階の,しかも画像全体に対する繰返し処理を必要としていた輪郭抽出処理に対し,微分画像の極大点集合としきい値処理により細線化処理を同時に実行する輪郭抽出法を提案した.また輪郭の連結性を観察してしきい値の設定を行い,原画像に対する1回の走査で,高速に輪郭抽出するアルゴリズムを提案した.本アルゴリズムの有効性を明らかにするため,従来手法と比較し,1/10以下の処理時間で同程度の品質の輪郭画像を抽出できることを示した.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1993-06-25