手話で使われる手の形の新しい表記記号体系 : 指の動作の解剖構造的なモデル化に基づく提案
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概要
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指の動作の解剖構造的なモデル化に基づいて,手話で使われる手の形を表記する新しい記号体系を提案し,手の形を系統的に分類した.この研究は,手や腕の動作の生体力学的なモデル化によって,異なる手話言語について提案されている表記記号体系を統合する研究の一環である.このために,それぞれの指の形を変える動作と指の相互関係を変える動作との両面から,手の形を表記する記号を考案した.そして,この新しい表記記号体系を使って,手の形を分類して表に配置するために,(1)まず,親指の動作と親指以外の動作とを分けて扱い,(2)次に,親指以外の指の,指の形を変える動作を,主要な特徴を表す主動作とそれ以外の副動作に分けた.(3)そして,主動作をする指の組合せのそれぞれに対して,行に指の形を変える動作を,列に指の相互関係を変える動作を配置した行列を用意した.(4)更に,行には親指の形を変える動作,列には親指と親指以外の指との相互関係を変える動作も組み合わせた.そしてこの行列の中に,原理的に可能な手の形の表記を配置した.このようにして作成された手の形の表は,手指記号による言語情報の伝達に使われる手の形を記述して分析するための,言語によらない枠組みを提供するものである.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1996-09-25
著者
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