複数勝者法による分散表現階層構造型自己学習モデル(バイオサイバネティックス, ニューロコンピューティング)
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概要
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神経回路網の各種の特異な機能を幅広く応用するためにはモデルのハード化が必要である.これまでに提案されたモデルのハード化を考えると, アルゴリズムの複雑さに起因する種々の課題がある.本論文では, 神経回路モデルのハード化を目的として, 簡易な複数勝者アルゴリズムからなる階層構造型モデルを提案する.複数勝者アルゴリズムは, von der Malsburgのモデルをもとにし, 各層内で複数のニューロンを勝者とする競合アルゴリズムである.各層内では, 固定の結合値をもつ側方結合による相互作用を受けて, 勝者ニューロンの近傍に位置するニューロンがヘッブ則により学習する.6種の角度をもつ棒状のパターンの学習を行った後, 0∿9の文字パターンを提示したとき, 勝者ニューロンが二次元平面上に局在して分散的に現れ, 提示されたパターンの特徴情報が分散表現されることを示した.更に, ニューロンの方位応答特性を評価した.ニューロンの応答方位の空間的配置において, 応答方位が順次変化するようなオリエンテーション選択性を示すニューロンが形成されることを確認した.これは, ハード化が容易な本複数勝者アルゴリズムにおいて, 分散表現が行われていること, 方位選択性構造が形成できることを示している.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2005-03-01