モンテカルロデバイスシミュレーションの並列化高速計算
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概要
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モンテカルロデバイスシミュレーションは、デバイス中のキャリアを粒子として扱い、デバイス中の非平衡な物理現象の解析に適する特徴を持つが、統計誤差を少なくするために多数の粒子を必要とし、計算量が膨大になる。そこで、並列計算機Cenju2上でデバイス解析用モンテカルロシミュレータの高速化を図った。粒子の運動は独立に計算できるため、同数の粒子を各プロセッサに割り当てて並列化した。モンテカルロ法では計算時間の大部分を粒子運動の計算に費やすが、並列化効率を上げるためには電場計算も高速化する必要がある。そこで、ポアソン方程式の係数行列の行を各プロセッサに割り当ててガウス消去法の並列化を図った。ガウス消去法の前進消去部はプロセッサ間通信時間が頻繁に起こるが、各行の計算を非同期化して通信による待機時間を抑えた。14PE(Processor Element)での計算では、1PEのときと比較してガウス消去法が約5倍、モンテカルロシミュレーション全体では約9倍の高速化をおこなうことができた。
- 1993-09-17
著者
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重田 一樹
NECマイクロエレクトロニクス研究所
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飯塚 貴弘
NECマイクロエレクトロニクス研究所
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加藤 治男
NEC ULSIデバイス開発研究所
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中田 登志之
NEC C&C研究所
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加藤 治男
NECマイクロエレクトロニクス研究所
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中田 登志之
Nec C&c メディア研究所
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