CWドプラ装置の小型低消費電力化への再検討

概要

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妊婦個人持ち用を意図した小型軽量低消費電力の胎児ドプラ聴診器を試作、性能評価を行い好結果を得たので報告する。試作装置はイヤホン聴取式の電池式CWドプラ送受信機を送受波振動子対とともに掌に収まるほどの外形寸法に一体化した物であり、素人の使用を考慮して封じ切り完全防水構造に仕立て、外部に出るのはイヤホンコードのほかは電源オンと音量選択に兼用の押しボタンスイッチ1個のみである。無信号状態が一定時間続いたらタイマーにより自動的に電源がオフされる。電源は内蔵のリチウム1次電池1個のみで、電池がのびたら装置ごと廃棄する。電池の有効寿命は約100時間ほどあり、妊娠22周あたりから分娩直前日まで毎日自ら聴取し、さらに毎週1時間ほどNon Stress Testのための信号採取を実施するに十分な能力を有する。超音波周波数は2MHzと3MHzを試用、超音波出力は総出力で言って2mWほどで、諸元の仕様および性能は基本的にIEC規格に準拠する。極低消費電力で目的性能を維持するには回路の徹底的簡素化また合目的化、特にRF段のA級増幅器の排除、無限インピーダンス再生検波の採用および音響系の損失の低減が肝要である。
1993-07-23