等方性2次元アレイの試作と性能評価

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医用超音波装置においては現在1次元アレイが汎用されているが、Y方向ないしφ方向、即ちスライス厚み方向の音響特性も電子的に適応制御せんとする、いわゆる1.5次元アレイが実用化寸前に来ている。1.5次元と呼ぶのは、完全な等方性2次元アレイではないが不等方性2次元アレイとは言え兎に角も両軸の電子フォーカスを実施出来、音響学的な完全性を一段と向上させたという意味を強調したいからである。しかし何れにせよ究極的には完全な等方性の2次元アレイが必要となる事は明らかである。これはスキャン手続きの、即ち音線設定の自由度のためと言うよりは、ホログラフィー、オルソグラフィー、リアルタイム3次元イメージング等のより高度な並列性の高いイメージング手法のためにはかかる等方性の2次元アレイが必須だからである。本報告では手始めに物を作りやすい周波数として1MHz前後において、本格的な、既存の1次元アレイの単なる並列設置ではない構造および製造方法の2次元アレイを試作し、性能評価を行ったので報告する。この種のアレイの設計には不可避的に伴うエレメントの信号線の引出し方に関して実用的な工夫があるほか、エレメントの特性の実測値においてイメージング、ドプラともに実用可能な見通しが得られた。
1993-10-19

等方性2次元アレイの試作と性能評価

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