スペクトル線形写像による帯域制限音声の広帯域化(音声情報処理 : 現状と将来技術論文特集)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本論文では, スペクトル線形写像を用いて帯域制限された音声から広帯域音声を生成する方法について提案している.本方法はLPC分析合成を基本とし, まず入力音声から声道情報(スペクトル包絡)と音源情報(残差波形)を抽出し, 声道情報は線形写像により, また音源情報は非線形処理を施すことで広帯域化する.最後に, この両者からLPC合成により広帯域化音声を作成している.線形写像によるスペクトル包絡の広帯域化は, スペクトル空間をいくつかの部分空間に分割し, 各部分空間ごとの変換行列により狭帯域スペクトルから広帯域スペクトルへと変換する.変換行列は, 変換後のスペクトルと目標となる広帯域スペクトルとの間の平均2乗誤差を最小化するように学習用音声を用いて推定される.実験では, 本手法のほかにコードブック写像及びニューラルネットを用いる方法についてスペクトルひずみに関して比較した結果, 線形写像による方法は他の2手法に劣らない性能が得られることが確認できた.また主観評価実験によっても, 帯域感を付与する効果が確認できた.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2000-11-25
著者
-
津島 峰生
松下電器産業マルチメディア開発センター
-
則松 武志
松下電器産業マルチメディア開発センター
-
中藤 良久
松下電器産業(株)マルチメディア開発センター
-
中藤 良久
松下電器産業(株)マルチメディア開発センター:(現)信州大学大学院工学系研究科
関連論文
- MPEG-4オーディオ低演算量帯域拡張方式とそのDSP実現(音響と音声処理・音声強調,ロバスト音声認識,一般)
- MPEG-4オーディオ低演算量帯域拡張方式とそのDSP実現(音響と音声処理・音声強調,ロバスト音声認識,一般)
- D-14-9 MPEG-4 オーディオ低演算量帯域拡張方式におけるエイリアシング削減技術
- D-14-8 MPEG-4 オーディオ標準化向け低演算量帯域拡張方式
- オーディオ符号化におけるMDCT係数の削減
- メルLPCケプストラムの耐雑音性の評価
- 音声認識におけるメルLPCケプストラムの評価
- 音声認識におけるメル線形予測分析法の評価
- オーディオ符号化におけるスペクトル包絡推定法の改良
- 応答文の切り替えがもたらすタスク達成時間短縮効果についての検討
- SDオーディオ用高速,高音質AACエンコーダー (特集「SDワールド」)
- スペクトル線形写像による帯域制限音声の広帯域化(音声情報処理 : 現状と将来技術論文特集)
- 線形写像による帯域制限音声の疑似広帯域化
- 線形写像による帯域制限音声の疑似広帯域化
- 帯域制限された音声における広帯域化法の比較
- 帯域拡大による広帯域音声の合成方法の検討
- 音韻認識における連続分布型HMMの教師なし話者適応 (応用音響に関する特集)
- TV会議用話者自動検出装置の開発
- D-14-15 MPEG-4標準TWINVQ楽音符号化のスケーラブル構成
- D-14-14 MPEG-4標準TWINVQ楽音符号化の基本設計
- スケーラブルTwinVQ楽音符号化
- 対数パワースペクトル領域での減算処理による乗法性歪みの除去
- 周波数伸縮を用いた話者正規化法の種々の年齢層話者に対する検討