「プライバシー」と「個人情報」の関係
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概要
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本論文の目的は「プライバシー」と「個人情報」の関係を明らかにすることである。現在、プライバシー概念と個人情報という概念の関係は混乱しているように見える。その混乱を解決しなければ、情報のみで成り立つ電子社会においてはプライバシー概念を正しく取り扱うことはできない。その解決のために本論文では、プライバシーが規範的な概念であり、人格に由来する概念であるのに対し、個人情報とは個人についての事実的な記述であるという事実をふまえ、両者の関係を明らかにする。すなわち、個人情報はプライバシーを構成するものであり、「個人情報」が「プライバシー」となる場合とは、個人についての情報が行為者αの信じている規範やおかれている文脈により制限され、信じている物語により特定される場合であることを明らかにし、電子社会においてプライバシーを扱うために必要な基礎概念の提出を行なう。
- 一般社団法人電子情報通信学会の論文
- 2002-03-08