GaAs基板上に形成されたスピンバルブトランジスタのスピン依存伝導特性(特別ワークショップ : スピンエレクトロニクスとその応用)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ベース層としてnGaAs(001)基板上にエピタキシャル成長したFe/Au/Fe(001)積層膜を用いたトランジスタを作製した。トランジスタの電流トランスファー比はエミッタ電圧と共に単調に増大し、最も大きなものでは3Vで10^<-3>に達し、100%を超える磁気電流効果比を示した。磁気電流効果比の解析により、Fe層中の下向きスピン電子に関して状態密度のピークに対応した平均自由行程の減少を見出した。しかし減少は僅かであり、ホットエレクトロンのスピン依存散乱に関して弾性散乱よりも非弾性散乱の寄与が大きいことが示唆された。上下のFe層は共に[110]方向を磁化容易軸とする一軸異方性を示したが、上部Fe層では[100]方向を容易軸とする結晶(4回対称)異方性の重畳が見られた。電気的雑音と応答時間の観点から、このトランジスタの高密度磁気記録における読み出しヘッドヘの応用の可能性を議論した。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2003-03-10
著者
-
水島 公一
(株)東芝研究開発センター
-
水島 公一
東芝リサーチ・コンサルティング(株)
-
水島 公一
東芝研究開発センター
-
佐藤 利江
(株)東芝研究開発センター
-
佐藤 利江
東芝研究開発センター
-
水島 公一
株式会社東芝研究開発センター
-
佐藤 利江
(株)東芝 研究開発センターフロンティアリサーチラボラトリー
関連論文
- 27p-ZB-10 S/N/S′接合系のIcRnの解析
- S/N/S接合系のIcRn積の解析
- 31a-TB-5 ボルツマン方程式を用いた近傍効果の解析
- 3a-ZE-1 境界面の状態に依存するペア相関関数の境界条件の導出
- GaAs基板上に形成されたスピンバルブトランジスタのスピン依存伝導特性(特別ワークショップ : スピンエレクトロニクスとその応用)
- GaAs(001)基板に形成されたスピンバルブトランジスタ
- GaAs(001)基板状のスピンバルブトランジスタ
- スピンバルブトランジスタ
- 18PWA-7 (001)Fe/Au/Fe//GaAsスピンバルブトランジスタの磁場依存伝導特性
- (001)Fe/ Au/Fe//GaAs構造のホットエレクトロン伝導
- 29pYB-6 Fe/Au/Fe//GaAs(100)構造のパリスティック伝導
- 23pYB-7 Fe/Au/Fe(100)積層膜のバリスティック伝導
- バリスティック電子が示すGMR効果 (特集 スピンエレクトロニクス) -- (伝導電子-スピン)
- 23aE-3 ホットエレクトロン素子に於ける磁気抵抗効果と構造の最適化
- 26aYQ-6 Fe/Au/Fe積層膜のホール伝達
- 26aYQ-5 磁性積層膜のホットエレクトロン伝導(理論)VI
- スピンバルブトランジスタ 磁性積層膜におけるバリスティック電子の量子閉じ込め効果
- スピンバルブトランジスタ (特集:ナノ領域の先端研究--21世紀のキー技術を求めて)
- 27a-YJ-2 磁性積層膜のホットエレクトロン伝導(理論)(V)
- 27a-YJ-1 Fe/Au/Fe/積層膜のホットエレクトロン伝導(V)
- 1p-W-2 磁性積層膜のホットエレクトロン伝導(理論)(IV)
- 1p-W-1 Fe/Au/Fe積層膜のホットエレクトロン伝導(IV)
- ホットエレクトロンが示すGMR効果
- 7a-YG-2 Fe/Au/Fe積層膜のホットエレクトロン伝導(III)
- 7a-YG-1 磁性積層膜のホットエレクトロン伝導(理論)(III)
- 29a-WB-7 Fe/Au/Fe積層膜のホットエレクトロン伝導(II)
- 29a-WB-6 磁性積層膜のホットエレクトロン伝導(理論) II
- 磁性積層膜のホットエレクトロン伝導(理論)
- Fe/Au/Fe積層膜のホットエレクトロン伝導
- 19pYB-11 F/N/F接合系における磁化のコヒーレント振動(微小領域磁性,領域3(磁性,磁気共鳴))
- スピントルク発振素子の再生ヘッド応用(ハードディスクドライブ,一般)