高速メッセージ受信処理方式の実用化

概要

論文の詳細を見る
移動体通信サービスを提供するネットワークは、多種多様で非常に多くのネットワークエレメント(NE)から構成される。これらのNEを広域的に集約し、一元的にネットワーク監視を行うシステムとしてNE対応オペレーションサポートシステム(NE-OSS)が存在する。これらのNEにおいて故障が発生した場合、NE-OSSへメッセージが通知される。NE-OSSのNE収容能力は、そのメッセージ受信処理性能に大きく依存する。また、特定のNEからメッセージが多発した場合、NE-OSSが内部輻輳を起し、ネットワーク管理者にメッセージを通知できなくなるため、通信サービスの停止や通信サービス品質の低下が長期化する。本稿では、ポーリング方式のNE-OSSについて、メッセージ受信処理性能を向上する方法、及び内部輻輳を規制制御する方法を提案し、商用システムとして実装すると共に性能評価を行った。その結果、配信方式のNE-OSSに比べ、メッセージ受信処理性能が約10倍優れているという性能測定結果を得ると共に、内部輻輳規制制御方法についても、ネットワーク管理者へのメッセージ通知のリアルタイム性の点で優れていることを明確にした。
社団法人電子情報通信学会の論文
2003-01-10