テレビアニメにおけるカット技法の実態
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概要
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本研究はテレピアニメにおけるカット技法の実態を調査したものである。調査Iでは, アニメにおけるカット技法の出現頻度を他の番組ジャンルと比較しながら検討した。調査IIでは, アニメのテーマの種類と視聴率, ならびにカット技法の出現頻度との関連について検討した。調査IIIでは, アニメのカット技法を時間的なつながりの点からカテゴリー分けした。それらの主な結果は以下の通りであった。1) カット技法の出現頻度は番組ジヤンルにより異なるが, アニメにおけるカット技法の出現頻度は1分間に約14回と多かった。2) アニメのテーマの種類と視聴率の違いがカット技法の出現頻度と関連していた。テーマが「ヒーロー.SFもの」で視聴率の高いアニメで出現頻度が特に高かった。3) アニメでは前後のショットの時間を同時的につなぐカット技法が特に多かった。4) 視聴率の高い「ヒーロー・SFもの」のアニメに数多く含まれるカット技法が男児のテレピ視聴を導いた。以上から, アニメにおけるカット技法の実態が明らかになり, 幼児期の物語経験において, カット技法が重要な要因となっていることが示された。
- 日本発達心理学会の論文
- 1993-11-10
著者
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