3つ組課題における概念的体制化の発達的研究 : 体制化に及ぼす課題のタイプとラベリングの効果
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概要
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年長児, 3年生, 成人に対して, 3タイプの3つ組み課題を3つの条件下で実施した。等位概念課題は, 標本刺激と分類学的選択刺激の間に等位概念名が存在し (例えばリンゴとブドウであれば, 果物という等位概念名が存在する) , 上位概念課題は標本刺激と分類学的選択刺激の間に上位概念名が存在する (例えばリンゴとニンジンであれば食べ物という上位概念名が存在する) 。また, 機能-連関概念課題では標本刺激と分類学的選択刺激の間に概念名は存在しないが, 共通の機能をもつという関係にある (例えば手と足は両方とも体の一部である) 。条件については次のようである。概念名・関連語条件では標本刺激に対して標本刺激と分類学的選択刺激の概念名または関連語 (例えば, "果物", "体の一部") が教示される。事例名条件では標本刺激に対して事例名 (例えば, "リンゴ", "足") が教示される。ラベルなし条件では, 教示の際にラベリングは行なわれない。主な結果は次の通りである: (1) 年長児と3年生では, 成人よりも事例名によるラベリングが分類学的反応を促進した, (2) 3年生と成人では, 年長児よりも, 上位概念課題と機能-連関概念謀題において, 概念名・関連語によるラベリングが分類学的反応を促進した。以上の結果から, 主に, 分類学的体制化における概念名の利用という点で発達差が考察された。
- 日本発達心理学会の論文
- 1992-12-25
著者
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