ダウン症児の早期療育と母親の養育態度
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概要
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ダウン症児の早期療育は近年急速に普及し, その効果についても高い経験的心証が得られている。しかし, 療育の種目や組み合わせ, 実施順序, 教育適期, 効果の持続性などについては, 必ずしも充分な検討が行われているとはいえない。また, 我々の今までの研究結果から, 医師のダウン症告知のあり方と養育者の受け止め方, 母親の性格・態度, ダウン症児の性格傾向などが, 療育方針ひいてはその効果にもかなり大きな影響を与えることが示された。本研究は, ダウン症児の母親への質問紙調査により, 上述した早期療育効果の複雑な様相を多少とも解きほぐすことを目指した。調査対象者は, ダウン症児152人(男子84名, 女子68名, 平均年齢11.41歳)の母親であった。調査項目は, 医師の告知のあり方, 早期働きかけの種別・方法・実施時期, 言葉と数の発達状況, ダウン症児の性格, 母親の性格・療育態度などから成り, 3∿5件法により回答を求めた。結果として, 告知のあり方は, 近年改善されてきたが当初の母親の精神的動揺は変わらないこと, 早期療育については働きかけの多様化と早期化が進んでいること, 言葉と数の習得は加齢とともに着実に上昇すること, 言葉や数の学習への直接的働きかけはその達成度と必ずしも一対一には対応せず, むしろ歩行や自立習慣などの日常的働きかけが広い分野の発達に寄与するらしいこと, 叱るよりはほめるといった動機づけ的側面の影響が大きいことなどが示された。
- 2005-04-20
著者
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藤永 保
日本教育大学院大学学校教育研究科
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渡辺 千歳
国学院大学栃木短期大学初等教育学科
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藤永 保
財団法人発達科学研究教育センター
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品川 玲子
お茶の水女子大学
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渡辺 千歳
國學院大學栃木短期大学
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荻原 美文
府中市教育相談室
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佐々木 丈夫
くもん学習療法センター
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堀 敦
日本公文教育研究会障害児サポート室
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