「知っている」ということについての幼児の理解の発達
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概要
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本研究は3歳児, 4歳児, 5歳児を対象に, 「知る」「知っている」ということの理解を検討した。「知る」ということの意味として, l) 真実 (事実についての正しい表象) , 2) 適切な情報へのアクセス, 3) 知識に基づいた行為の成功の3つの側面を用いた。そしてそれぞれの側面について異なる状態にある二人の登場人物によるストーリーを幼児に提示し, どちらの人物が対象を知っているか判断させた。その結果, 以下のことが示された。l) 「知る」「知っている」ということの理解は加齢と共に進んだ。2) 3つの側面は判断材料としての情報の利用しやすさには違いがないことが示されたが, 適切な情報へのアクセスの側面が他の側面に先立って4歳頃から言語報告可能になることが示唆された。3) 「知る」ということの理解と心の理論の発達の間に関連が示唆された。4) 「知る」ということの理解と理解語彙数とは関違していた。以上の結果に基づいて, 「知る」などのさまざまな心的過程について, 個別に詳細に検討していく必要性が考察された。
- 日本発達心理学会の論文
- 2000-12-31
著者
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